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2024年10月1日
2024年10月
忘却は微笑んで夏を越しました
これからを二人は締める キュッと
死んでもた知らんでホンマサッ飯っしゃ
旅男
最低のセンス 俺さみしいのかな、なんて
片想いあるいは無人島に放火
手の位置で決まる完璧なはだか
藤田めぐみ
樹洞(ほら)のぞく無性になつかしくなって
細胞は分裂のたびソをならす
龍と虎影踏みに興じる9月
四ツ屋いずみ
福島のフクシマにあるふくしまは
星からの旅が終わってからビール
正直になろうケチャップかけてから
伊藤良彦
柔らかい指切りだったのが理由
ジャムにして優しかったということに
いつの日か鳥の言葉になるふたり
菊池京
きたあかりのえくぼ八百屋は熟字訓
検尿のサイズで朝を誑し込む
第三者どう略してもいいんかい
河野潤々
液体になって大人げないドット
風吹き抜ける啄木の砂降りそそぐ
滴る涙受け止めるのは誰でしょう
斉尾くにこ
11-92のナンバーゴミの収集車
リアス式海岸 ネコよ爪を立てるな
朝露のいつか乾いて朱の器
笹田かなえ
吸血鬼めくきみだけの太い牙
寝室で死んでは殖えてゆくネズミ
水色とピンクではなく青と青
鈴木雀
強引におとぎの国へ連れて行ってよ
したあとの夕陽の赤は覚えてる
白骨は燃やせるゴミの日にどうぞ
須藤しんのすけ
永遠はソーダ水にはうつらない
風下は白衣を鳩に変えるところ
オーロラを編んで世界征服を
温水ふみ
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